漫画好きのひとり言

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片喰と黄金 (北野詠一) 17話

見せかけの優しさなのかと思ったが、
モラレスは本当に良い人物だった。
 
40人の黒人奴隷の顔と名前だけではなく、
性格まで把握していると言う。
鞭でぶつような事など絶対にしないし、
苛烈な労働を強いたりしない。
 
だからロスの無礼な振る舞いが、
他の黒人には堪らないのでしょうね。
こんな良い所で働けるのに感謝の気持ちがない。
 
その事で他の黒人と喧嘩になっても
モラレスは夕飯抜きにするくらいで済ませるから、
余計に付け上がっちゃうみたいだ。
 
それはともかく、
アメリアは世話をしてくれる黒人の
何気ない一言で悩んでいましたね。
 
アメリアの言う事は何でも聞いて、自分達に似ているので、
コナーはアメリアの奴隷なのかと。
 
違うと答えたものの、アメリアの心にしこりが残った。
コナーは生まれた時から従僕だった。
でも奴隷と決定的な違いは
「いつでも自分の意思でアメリアの元を去る権利がある」
ということ。
 
今すぐに去る訳はないでしょうけど、
例えば富豪になってアイルランドの土地を買い戻せるなら、
コナーがアイルランドに帰りたいと言えば止められないのだ。
 
コナーの姿を探すと、コナーは畑で土いじりをしていた。
土を触っているとアイルランドを思い出す
うん 僕はやっぱり・・・
 
そしてコナーはアメリアの姿を見つけると、
彼女の元に駆け寄り、富豪になった後の事を語り始める。
 
アイルランドを思い出していまして・・・ その・・・
 
まさか、本当に帰ると言うのか!?
でもコナーが自分の意思で何かをやろうとしているのだ。
それを止めることなどできない。
 
アメリアが何でも言いなさいと言うと、
コナーは「屋敷に庭が欲しい」と言うのだ。
 
富豪になっても土いじりがしたいようだ。
そもそもアメリアの隣がコナーの居場所
アメリアから離れるなんて、考えたこともないのでしょう。
 
嬉しくなったアメリア。
庭どころではなく大大大農園をやりましょうと。
借り物ではなく自分の土地で好きなものを育てるのだ。
なんと素敵な夢でしょう。
 
そうして3日が過ぎた頃。
夜の散歩に出たアメリア。
 
連日、よく食べて、よく寝たせいで寝られなくなると言う・・・
何と言う貧乏性。
 
そんな彼女がバッタリ遭遇してしまったのは、
脱走を図ろうとしていたロス。
 
アメリアにそれを気付かれ、
逆上した彼はアメリアに手をあげてしまう。
 
白人を殴ってしまった事で後戻り出来なくなったロス。
意識を失ったアメリアを引き摺りながら闇の中へ消えていく。
 
ロスの行為は最悪ですね。
脱走したことなんて次の朝にはバレるのだし、
アメリアを突き飛ばすくらいにして走り去れば良いのに・・・
 
温厚なモラレスも処罰せざるを得ないだろうし、
それよりコナーが許さないでしょう。
 
・・・まさか改心させてロスを仲間に?
さすがにそれはミラクル過ぎるか。