漫画好きのひとり言

気まぐれに漫画の感想とか

時給三百円の死神 (作画/桐原いづみ 原作/藤まる) 1話

死神のアルバイトというから、どんな仕事だろうと思ったが、
死者の未練を晴らすことなので、悪い仕事ではないようだ。
 
暴行事件で前科のある父親のせいで
アルバイトにも就けない高校二年の佐倉真司。
 
貯蓄が心許なく、このままでは高校を卒業する事も怪しい。
人生に疲れてしまった真司に、
話しかけてきた男性がいた。
 
あなたにぴったりの仕事があるんですよ
 
とても会話が出来る距離じゃなかった。
でもその人の声は聞こえる。
しかも「近いうちに人を行かせる」と言うと、姿を消した。
幻覚だった?と思うくらい、一瞬の出来事。
 
でもその男性の言葉は本当だった。
クラスメイトの花森雪希が訪ねてきたのだ。
しかも「死神として採用するね」と言いながら。
 
雪希はいつもクラスの中心にいるような人物。
明るくて美人で・・・
そんな彼女が何故、死神の仕事をしているのか?
 
仕事内容は、この世に未練が残っている死者を、
あの世に送ってあげること。
 
時給三百円で、早出や残業もあるが残業代は出ない。
シフトは選べず、交通費も出ない。
当然、福利厚生、ボーナス、有給はない。
 
どれだけブラックなんだ・・・と思いますね。
でも半年続ければ、どんな願いでも一つだけ叶える
希望を申請できるらしい。
 
時給三百円は安いが、
そもそも何処も雇ってくれない真司にしてみたら、
やってみる価値はあるでしょう。
 
雪希は美人だが、真っ直ぐな性格が逆に裏がありそうで、
真司は苦手。
彼の好みは、おとなしくて(巨乳の)朝月さんのような子。
 
雪希に言った覚えはないのに、
「やっぱり朝月さんのことが好きなんだ」と言っていましたね。
何故、知っているのだろう?
 
雪希は「私のことは好き?」と真司に訊き、
はっきりと「嫌いだ」と言われ、
「よかった」と言っていましたね。
 
何故、嫌いで良かったのだろう?
これから一緒に仕事をするのに・・・
 
そして向かった先は朝月さんの家。
最初の仕事は朝月さんの悩みを解決することなのだ。
 
死神の仕事なのに、クラスメイトの朝月さんの悩みを解決?
真司は意味が分からないでしょうね。
 
でも伏線もあった
「佐倉(真司)君はまだ知らないんだね」
雪希に耳打ちする朝月さん。
 
彼女の悩みは入院中の妹のこと。
インスリンの注射をすれば命に別状がある訳じゃないが、
毎日吐き気が続けば嫌になるモノ。
 
だからふて腐れてしまい、今では誰とも口を利かないらしい。
そんな妹を何とかしたい。
 
ありきたりだけどプレゼントを提案する真司。
欲しがっているバッグはあるが、それは二番目に欲しいモノ。
一番欲しいモノは無理と分かっているから・・・
 
大好きな朝月さんと話せたので、ご機嫌の真司。
次の日にはバッグを買って、朝月さんの妹の元へ。
 
きっと明日も良い日になるなんて、
根拠のない希望を持っていた真司でしたが、
結果は、プレゼントをしたバッグを床に投げつけ、
「出てってよ!」と追い返されてしまう。
 
やはりもっと欲しいモノがあるのだ。
それは・・・
 
朝月さんの自宅に行き、
朝月さんの母親の手料理で食事。
 
朝月さんの母親から「久し振り」と言われていましたね。
以前、よく来ていたのか。
 
帰る前に、真司と二人きりで話したいという朝月さん。
雪希に「大切な夜にするんだぞ こんなチャンスは二度とないぞ」
言われていましたね。 どういう意味だ?
 
二人は付き合っていたのだが、真司の父親の事もあり、
犯罪者の息子の恋人というレッテルに、
真司が耐えられなくなり、別れを切り出したのだ。
 
せっかくだから今日はいっぱい話をしようと言う朝月さん。
 
妹のことは残念な結果になったけど、
時間が解決してくれると朝月さんを慰める真司。
たぶん朝月さんも、それしかないと分かっていたでしょう。
 
そして、将来のことを話す二人。
大学に行くなら・・・ 旅行するなら・・・
家を買うなら・・・ ペットを飼うなら・・・
 
朝月さんは「目を見れば その人の欲しいモノが分かる」と言う。
だから妹の欲しいモノが分かったし、雪希は世界平和だし、
真司は・・・「温もり」
 
でもそれは決して朝月さんが与えることが出来ないモノ。
そしてそれを真司も気付いているはず。
 
いつかやり直せるのか?と言いながら、
好きなのは誰かという事を言えなかった。
またツラい思いをさせてしまうかもしれないのだ。
 
でもいつかきっと やり直せる機会が来たら・・・
 
こうして別れの時が来た二人。
「わがままを聞いてくれてありがとう」という朝月さんに、
「じゃあ また学校でな」と言う真司。
 
・・・ばいばい 佐倉君
 
別れ際は「またね」が口癖の朝月さん。
それが「ばいばい」。
 
真司は知っていたはずだ
幸せは 必ず壊れると
 
翌日、違和感を覚えた真司は、朝月さんに電話をした。
しかし携帯は繋がらず、気になって家に行ってみた。
母親に話をすると、血相を変えて泣き叫びだした。
 
娘は一ヶ月前に交通事故で死んだ
 
これは死神のアルバイト。
未練を断ち切れない死者は残酷なロスタイムを与えられる。
その人が生きているはずの世界
「偽りの歴史」が始まった事は死者しか気付かない。
 
そんな死者の未練を晴らして、
あの世に送るのが死神の仕事なのだ。
 
朝月さんの未練は妹。
妹が一番欲しがっていたのは姉との時間だった。
だから何をやってもダメだった。
 
それを悟り、朝月さんは未練を断って、無事に旅立ったのだ。
時間が解決すると判断したのだろうね。
 
真司は信じられない気持ちだったでしょうね。
一緒に食事をしたはずの朝月さんの母親は、
そんな記憶はないと言う。
 
それは歴史が修正されたから。
その間の事を覚えているのは死神だけなのだ。
 
人はいつだって、大切なモノは失ってから気付く。
真司は本当の気持ちを伝えるべきだったと後悔したでしょう。
 
でも、本来は何も話せずに別れていたものを、
あれだけの会話をさせてもらえたのだと思うべきでしょう。
 
それに一つだけ願いを叶えて貰えるなら、
朝月さんの復活を願ってはいけないのかな?
実は真司が死んでいたというオチだったら怖いなぁ。