鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 外伝(原作:鬼滅の刃/吾峠呼世晴 漫画/平野稜二) 後編
下弦の弐は血鬼術「鹵獲腔 影狼」を使うが、
杏寿郎は「肆ノ型 盛炎のうねり」で襲いかかってきた狼を薙ぎ払う。
その炎を見て、下弦の弐は以前の事を思い出していた。
あの時は、ただ怯えて縮こまるしかなかった。
何故だ 何故あいつがあの世へ行って
お前みたいな畜生がのうのうと生きている
「もう斬らないで」と懇願するが、
両腕を切り払われ、痛みに転がる。
男は言う
疲れたこんなことしたところで 全てが無意味だ
そして言い放ってきた。
鬼のくせに逃げるのか卑怯者
死ぬまでそうして逃げ惑う気か
体だけではなく、心まで斬り刻まれた
あの時の恐怖と怒りは一生収まらない
ヤツに怯えて暮らすなど耐えられない!
ここまで読めば、この炎柱は杏寿郎ではないと分かりますよね。
間違いなく杏寿郎の父親だ。
妻に先立たれ、自暴自棄になっている。
(その証拠に任務中に酒を持っているし)
酷い言いがかりですが、
父親の尻拭いのようなものですからね。
これは杏寿郎が解決すべき案件だ。
下弦の弐の攻撃(射撃)で血だらけの杏寿郎。
しかし挫けるわけにはいかない。
母が亡くなり、ずっと床に伏せている父。
弟は父も亡くなるのでは?と不安になっている。
父はきっと立ち直ってくれる
それはまるで自分に言い聞かせるように・・・
煉獄家の長男として 強くなる
強くあらなければならない
泣くな杏寿郎
此の世に永遠などありはしない
その悲しみも いつかきっと大切な力になる
約束したのだ母上と
弱き人を助けると 柱になると
この約束が、強い想いが、
杏寿郎を支えているのだ。
その頃、下弦の弐が仕掛けた爆弾を探す甘露寺達。
しかし影狼に邪魔され、思うように探せない。
正しい呼吸をしなければ斬れないのだが、
焦ってしまい、上手く斬れない。
悪循環ですね。
結局、力任せに刀を振るだけになってしまう
いつもそうだ・・・ ここは私の居場所じゃないのかも
完全に気が弱くなってしまった甘露寺ですが、
前編で出会った親子が影狼に襲われているのに気付く。
気付いたときには親子に襲いかかっていた影狼を薙ぎ払っていた。
考えるより先に身体が動いたのだ。
(この辺は甘露寺らしいですよね)
余計な事は考えない。
今はこの親子を守ることだけ。
頭が冴えてきたのでしょうね。
杏寿郎から教わった事が浮かんできた。
刀は全身で振うもの
切っ先まで神経を通わせろ
刀も含めて己の身体だ
やっと杏寿郎の言っていた事を理解出来た甘露寺。
実は杏寿郎に相談というのは、
鬼殺隊に向いていないのではないか?というものだった。
でも、今は迷いを吹っ切ったでしょう。
素敵な殿方を探すことと同じくらい
私らしくいられる場所を探していたんだ
もっと柔らかく
もっとしなやかに
もっと私らしく
こんな時なのにドキドキが止まらない
燃えるような恋心を剣に!
完全にオリジナルな呼吸ですよね。
のちの恋柱の誕生のキッカケはここ?
親子の無事を確認し、爆弾を探しに行く甘露寺。
彼女の背中には親子の感謝の声があった。
認められた 認めて貰えた
甘露寺は嬉し涙を抑えられなかったでしょう。
壁を乗り越えましたね。
もう大丈夫。
そしてどれだけ銃弾を受けても倒れない杏寿郎。
ついに銃弾が尽き、銃を叩きつける下弦の弐。
なにか武器を!という時に刀に目がいく。
それは人間だった頃の記憶。
新撰組の隊士だったのか?
刀にこだわったが、銃には敵わず撃ち殺された。
武士であった自分を思い出し、血鬼術で影狼を身に纏う。
鹵獲腔 戦禍陣狼
ここからは一人の武士として貴様を殺す
それは望むところ
杏寿郎は強く剣を振うのみ
あの日から何も変わらない
お互いの剣がぶつかる。
杏寿郎の斬撃は刀・・・いや、全身を炎に纏う
下弦の弐は驚いたでしょうね。
自分の影が焼き払われていく・・・
これぞ炎の呼吸の奥義。
全身全霊 命ごと浴びせる渾身の斬撃
その威力はあらゆるものを抉る
燃やせ! 燃やせ! 心を燃やせ!!
玖ノ型 煉獄
敗れた下弦の弐ですが、
「良い太刀筋だ」と褒めていましたね。
武士として敗れ、満足出来たのかもしれない。
こうして見事、十二鬼月を倒した杏寿郎。
晴れて炎柱に。
それからの杏寿郎の活躍は知っての通りですね。
そして最期も・・・
彼の想いは、それを継ぐ者たちへ・・・
その活躍を空から見守っているでしょう。