漫画好きのひとり言

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憂国のモリアーティ (原案/コナン・ドイル 構成/竹内良輔 漫画/三好輝) #53

この物語は世間の注目を集めた状態で
ど派手に幕を下ろさないと意味がない。
当然、ウィリアムの最期は何処か目立つ場所になる。
 
それはホームズにも分かっていた。
それよりも知りたかったのは、
何故、ウィリアムは自分の死に そこまで拘っているのか という事。
 
フレッドやルイスに言われるまでもないでしょうね。
ホームズもウィリアムが本当に死ぬ必要はないと思っている。
死んだと見せかければそれで良いはず。
 
それを問うと、ウィリアムは明白だと言う。
「地上の悪魔は全て消し去らなければならない」
 
自分の手は血で汚れ切ってしまった
悪魔となり果てた者はどうやったって人間に戻れない
 
だから その始末を 君にお願いしたい
 
そう言われ、ホームズはもう一つ疑問を投げかけましたね。
「どうして この俺・・・ なんだ?」
 
これまでの計画全てに言えたことですが、
それはイレギュラーな事態が起きたとしても、
ホームズなら上手く切り抜けられるだろうという信頼から来ていた。
 
でも、それなら腹心にでもやらせれば良かったはず。
何をどう繕っても絶対にホームズでなくてはいけない理由にはならない。
 
ウィリアムは答えに詰まり、逆にホームズに訊いていた。
「君はどうして・・・
犯罪卿が僕(ウィリアム)だったら良いと思ったんだい・・・?」
 
そんなの友達だからに決まってんだろ
 
ホームズらしく、ストレートに伝えましたね。
でもウィリアムはホームズの問いに答えられない。
代わりに2通の手紙を残して去っていく。
 
1通は最後の場所と時間が書いてあり、
もう1通は「僕達が進むべき未来とは関係無い過去」とのこと。
 
手紙には東部貧民街の住所は書いてあった。
そこにホームズにだけ伝えたい何かあるのだろう。
 
その頃、セバスチャンは最後の事件に向かう前に
アルバート「これから どうするつもりだ?」と訊いていた。
 
ウィリアムは皆の分の罪を背負って独り死ぬと言っている。
セバスチャン達には「生きろ」と言っているのだ。
 
ウィリアム亡き後の世界で何をすべきなのか・・・
 
アルバート「遺された者にしか出来ない事を成すべきだ」と言う。
 
今は共に十字架を背負えずとも
後で幾らでも その肩代わりは出来るさ
 
セバスチャンはその言葉を聞き、屋敷を後にした。
「またな」と言うセバスチャンに、
「また何処かで会う時が来れば・・・な」と言うアルバート
この事件を最後に解散するのでしょうね。
 
そしてアルバートは屋敷に火を放つ。
アルバートは、ウィリアムが最初から全ての罪を背負って
死ぬ気だったのだと分かっていたようだ。
 
お前一人に罪を負わせたりなどしない
必ず 私は生きて この身を焼かれよう
 
アルバートもある覚悟をしていますね。
ウィリアム死後、自分の罪を告白するつもりなのか・・・
 
そして貧民街に向かうホームズ。
指定された場所に行くと、
そこには全ての犯罪計画書と封書があった。
 
封書には手紙と二枚の出生記録。
出生記録にはウィリアムの本当の名が記され、
そして手紙には・・・
 
ホームズが女王と交渉してくれた事で
計画は成功すると確信できた。
 
この国が変わっていく所は見届けられないから、
代わりにホームズに見届けて欲しい。
この世界をホームズに託したいと書いてある。
 
そして、何故ホームズを選んだのか?という問いにも答えていた。
 
ホームズとの出会いは罪深い計画を一刻忘れてしまう程
楽しいものだった。
唯一の理解者を得られた気がしたのだ。
 
こんな立場でなければ、ずっと謎解きに興じていたかったとさえ思った。
初めて出会った時からずっと ホームズの事を何故か
年来の友人の様に感じていたのだ。
 
だから最期を看取って欲しい
それがホームズでなければならない理由
 
そして違う世界に生まれ変わることが出来たなら、
今度こそ手を取り合える本当の友達に・・・
 
手紙を読み終わり、天を仰ぐホームズ。
ずっと同じ気持ちだったのだ。
そんな友達を失うわけにはいかない。
 
「生まれ変わったら」!?
バカ野郎!!
まだ 間に合うだろうが!!!
 
ウィリアムを死なせたりしない
ホームズはウィリアムの計画通りには動かないでしょうね。
 
まあ、それも筋書き通りだとしたら・・・
ウィリアムなら想定しかねない?