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もののがたり(オニグンソウ) 七十四話

比類無き才能を持った隼人と鼓吹。
隼人は16歳の頃には、才能だけなら岐家の当主・造兵を超えていた。
 
しかし当主の座に就けるには早すぎる。
そんな声があったため、それを黙らせるために、
やや出しゃばった行動で実力を見せるが、これは逆効果。
 
そんな時、兵馬に塞眼の基本である
“導きを以て現世に調和をもたらす者こそ”と言われ、
二人は行動を変える。
 
兵馬の教育になるような活動をしよう
 
それから二人は指示通りに迷い子の保護に出るようになった。
おかげで評判も良くなり、当主を引き継いでも良いのではという声もあった。
 
確かに技量は造兵を抜いている。
しかし塞眼の頭領として圧倒的に足りないモノがあった。
 
二人は余りに清い
より黒い敵、昏い相手
穢れとしか形容できぬモノは確かにいて
それと対峙するには相応の経験がいる
 
若い二人に、そういった穢れに触れさせる事に躊躇していた。
それが命取りになったのだ。
 
迷い子だと思って近付いたが、これは罠だった。
いつもの付喪神なら、それでも何とか出来ただろう。
しかし二人を罠にかけたのは悪神
 
鼓吹が拡大防止と足止めに術を使おうとすると、
それは鼓吹に返ってきた。
術返しの陣を敷いて待ち構えていたのだ。
 
塞眼の符術に精通していること自体が、
二人にとって驚きだったでしょう。
あまりに相手が悪かった。
 
兵馬は見学のつもりで姿を見せたが、
その時には二人は串刺しになっていた。
 
このままでは兵馬も殺されると、
最後の力を振り絞って兵馬を逃したのでしょう。
 
そして異変に気付き造兵も駆け付けたが、
全てが遅かった。
 
隼人は全てを背負っていた祖父を早く休ませたかっただけ。
それで焦っていたのだ。
でもそれが、こんな結果になるとは・・・
 
隼人だった者が流した血の涙。
それは隼人の思念か。
もう人に戻る事は出来ないのだろうか・・・