人狼機ウィンヴルガ （綱島志朗） 44話

ドミネイターの男達から酷い暴力を受けるフォルカとミドリ。
フォルカは歯を食いしばって耐えていたため、
奥歯が平らになってしまったようだ。
 
フォルカだけなら逃げる事も可能かもしれないが、
今ここでチョーカーの制裁機から電気が流されたら、
川で体を洗い流す仲間達が危ない。
さすがに仲間を見捨てる事は出来ないですよね。
 
そしてやっとミドリも男達から解放され、
川で体を洗うように言われる。
 
怒りの表情のミドリは川辺の大きめの石を手にし、
自分の腹部を強打する。
何をしているのか！？と思う所ですが・・・
 
虫が
お腹の中に・・・・・寄生虫がいるのよ！！
出ていけ！！
私はッ　こんなものいらない！！
 
仲間の中には妊娠している人もいるので、
ミドリはそうならないようにしたいのでしょう。
それにしても無茶をする。
 
腹部を強打したことで、流血するミドリ。
私は・・・　害虫の子供なんか絶対に産まない！
男の思い通りに・・・・　なってたまるか！！
 
憎しみの表情を浮かべるミドリに、
かける言葉が見つからないフォルカ。
 
・・・どうして・・・　こんなことに・・・
思い出すのはミドリと初めて会ったときのこと。
 
既にエースとしてアヴァン・ルージュで活躍していたフォルカ。
そんな彼女の耳に凄腕の新人メカニックの話が入ってきた。
それがミドリだ。
 
そしてフォルカはミドリに一目惚れ。
めっちゃタイプだったのだ。
 
フォルカに近付いてきたミドリは、
鹵獲した機体が少ないと文句を言う。
 
直してもすぐに戦線に投入されてしまうため、
人機の研究が出来ていない事に不満があるようだ。
 
アヴァン・ルージュが独自で人機を作れるくらいにならないと
この先ドミネイターに対抗するなんて　ただの絵空事。
 
そこまで先の事を考えていたミドリに衝撃を受けたフォルカ。
あんな子がいるなんて・・・
すごいなぁ・・・　この娘に導いてもらえば　あたしも・・・
 
童顔で言葉遣いはキツいが、
自信と自分のやりたい事に正直なミドリ。
 
それが実際はどうだろう。
必死に戦った結果がこれなのか・・・
フォルカは悔しさに涙を流すしかなかった。
 
相変わらず男達から酷い暴力を受けていたフォルカだが、
ダーツの的代わりになっていた時に悲劇が起きる。
右目にダーツが当たったのだ。
 
そしていつものように悔しがるミドリ。
自分に見合うもの全て揃えば、
男達を殲滅する事が出来るのに・・・
それがどれだけ虚しい言葉か・・・
 
賢いミドリなら、自分の発言が如何に虚しいものか
言っていて気付いていたでしょう。
 
フォルカに八つ当たりをするミドリ。
何も考えないサンドバックはむしろ天職なんじゃないの！？
 
何か言い返してくるだろうと思ったが、
フォルカに反応がない。
眼にダーツが突き刺さっただけではなく、
内出血による血だまりで呼吸が出来ていなかったのだ。
 
ミドリの機転でフォルカは九死に一生を得ていましたが、
実に危ない所だった。
 
そしていつもはフォルカにキツい言葉をかけるミドリも、
さすがに本音が漏れましたね。
私を１人にしないでよ！
 
意識を取り戻したフォルカ。
ミドリの言葉が届いていたのかは分かりませんが、
フォルカも本心を語っていましたね。
 
一目惚れした事、そして好きだと。
自分を導いてくれる・・・　小さな女神様・・・
 
そんな時、外で大きな衝撃があった。
何かと思ったらグロリアが救出に来たのだ。
 
男達を蹴散らし、次々と仲間を助けてくれるグロリア。
迅速な状況把握に的確な指示、
自ら先頭で戦い、皆を導く
 
その姿にミドリは惚れてしまったのだ。
ミドリにとって女神はグロリアだったのだ。
 
それからミドリのグロリアに対する思いは
尋常ではなかったようだ。
 
フォルカの話を聞いていた真白。
だとしてもおかしい。
戦いで犠牲が出るのは仕方がないが、
拷問や虐待がグロリアの指示のわけがない。
 
フォルカが真白の元に向かう為に旅立つ前は、
そんな事はなかったようだ。
 
日増しにお腹が大きくなっていくグロリアに、
世界初の対等に男と女が愛し合った結晶だと、
皆で盛り上がっていたのだ。
 
でもそんなグロリアを戦わせられないと、
ミドリが真白達の力を借りようという話になったのだ。
 
フォルカはミドリの提案に疑いもしなかったでしょうね。
でも、フォルカが不在の間にミドリは計画を進めていた。
その名は「女神の葬送曲計画」。
 
ミドリに言わせると、グロリアは自ら掲げた理想を曲げてしまったのだと。
「罪深き汚れ堕ちた女神・・・」
 
グロリアを神聖化しすぎて、今の姿を認められないのでしょうね。
計画の名前からして、グロリアを殺すつもりなのか？
お腹の中の子供を殺すつもりなのかもしれないが・・・