漫画好きのひとり言

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時給三百円の死神 (作画/桐原いづみ 原作/藤まる) 7話

四宮夕ちゃんは8歳の時に母親からの虐待の末、
マンションから転落死した。
そして2年のロスタイムで現在は10歳。
 
雪希は個人的にどうしても助けてあげたい死者だと言う。
そう言われなくても、あまりに可哀想な境遇なので、
何とか未練を晴らして成仏させたい所ですね。
 
会ってみると夕ちゃんは明るく元気な子だった。
そして死んだ時の事も流暢に語ってくれた。
 
ストレスのはけ口として母親は自分を虐待していた。
その事も理解していた。
 
そして夕ちゃんが死者になって得た能力は
心で強く念じれば生き物の心臓を止めてしまえるというもの。
これまでで一番物騒な能力だ。
 
そして夕ちゃんは語る。
あたしの未練は こんな目に遭わせたお母さんの心臓を
止めてやる事なんだって 理解しました
 
死者の未練を晴らすのが死神の仕事だが、さすがに今回は・・・
それに仮に殺したところでロスタイムが終われば
母親が生きている世界に戻り、殺した事自体なかったことになる
 
つまり未練を解消する方法はない。
 
母親の虐待を止めれば・・・と思う所ですが、
仮に夕ちゃんの虐待を止める事ができても、
今度は夕ちゃんの妹が虐待の対象になるかもしれない。
 
未練は晴らせない、虐待は止められない。
それでは夕ちゃんのロスタイムは辛い事だらけじゃないか。
 
これまで会った死者はロスタイムを早く終わらせたいと願う人ばかり。
でも夕ちゃんのように為す術がないなら・・・
ロスタイム中に自殺したらどうなるのか?
 
そこでロスタイムは終了。
でもこれは最も避けなくてはいけない結末なのだ。
 
難しい案件ですが、これは雪希の為にもなる。
しかも無事に夕ちゃんを送る事が出来たら、
秘密をひとつ打ち明けてくれると言うのだ。
 
これは その勇気を手に入れるための私(雪希)なりの戦い・・・ かな
だから・・・ ・・・どうか・・・ ・・・側にいて
 
いつもの明るい雪希とは思えない表情で語っていましたね。
雪希にはどんな秘密があるのでしょうか。
 
しかし事態は、ある意味、想定外な展開を迎えた。
夕ちゃんから提案があったのだ。
 
夕ちゃんは終活ノートを書いていて、
そこに書いたやり残した事をクリアし、心残りが片付いていけば、
いつか旅立てるのではないかと。
 
1つ目は「大人のキスが見たい」
いきなりハードル高いのが来たー!!
雪希が真司に迫るという逆展開(ギャグ展開?)でしたが、
おでこにキスで満足してくれて良かったね。
 
そして2つ目は「お世話になった人に
サプライズプレゼントを送りたい」というもの。
 
もうすぐ雪希の誕生日なので、
雪希にプレゼントを贈ろうという話になった。
 
こうして少しずつ心残りを解消していく真司と雪希。
夕ちゃんはクラスの皆にお礼が言いたいとも言っていた。
 
それは・・・
いつも元気いっぱいな人気者の子が、
突然、心室細動という病気で死んでしまった。
みんなびっくりして悲しんだが、その子は死ぬ間際に
クラスメイトに「ありがとう」とメッセージを残していたことが分かった。
 
それをどこかの高校の放送部がドキュメンタリーの題材にして
大会で優勝したらしく、その子の母親は
息子の優しさを広く知って貰えたと感謝したそうだ。
 
それを聞いて、夕ちゃんも救われた気がしたのだ。
だからそんな風にメッセージを残せたら・・・と思ったのだ。
 
ロスタイム中のメッセージは消えてしまうから、
それは難しいが、友達と仲良くする事は無駄な事では無い。
 
そんな話をしていたら、雨野という男性が近付いてきた。
夕ちゃんの知り合いで、どうやら雨野も死者らしい。
 
雪希は凄く警戒していましたが、
夕ちゃんが笑顔で接しているので、
悪い人では無さそうだと緊張を解いていました。
 
夕ちゃんが友達と遊んでいる間、
雨野は荒れていた頃の夕ちゃんの事を話してくれた。
 
でも多くの死神と出会い変わっていった。
少しずつ心を開いてくれて、日々成長する姿は見ていて嬉しかった。
だから真司や雪希にも期待してしまうとも言っていた。
 
どうやら本当に悪い者ではないようだ。
 
夕ちゃんは母親からの愛情は少ないかもしれない
それでも愛してくれる人は周りにたくさんいる
・・・それだけでも本当に良かった
 
雪希の誕生日が翌日に迫った土曜日。
「お花見がしたい」という願いを叶えるべく、ちょっと遠出した三人。
そこは辺り一面コスモスが咲き誇る公園だった。
 
そして、ここでサプライズプレゼント計画を確認。
あらかじめ夕ちゃんがいつもの公園にプレゼントを埋めておき、
「宝探しがしたい」という願いを叶えるため、
穴掘り大会を実施し、上手く雪希を誘導して、
雪希に誕生日プレゼントを掘り当てさせるのだ。
 
途中で雪希が気付くかもしれないが、
雪希も計画に付き合ってくれるだろう。
 
公園でサッカーをしていた子供達と合流し、
真司も久し振りにサッカーをしてみた。
膝を怪我していなければ、それなりに活躍できただろう
という動きを見せましたね。
 
膝の怪我の理由を雪希が訊くと、真司は
「木の上にいる猫を助けようとしたら落ちた」らしい。
 
笑う雪希ですが、朝月さんが真司を好きになった理由が分かったと言う。
誰だって好きになるよとも。
 
はぁ・・・? おまえでもかよ
 
そう言う真司に雪希は躊躇わずに「うん」と言う。
雪希が真司に好意を持っているのは明らかですしね。
真司はまだ気付かないのかなぁ。
 
そして迎えた雪希の誕生日。
夕ちゃんとも雪希とも楽しく過ごせる日にしたい
 
そんな真司の願いは見事に裏切られてしまう。
 
夕ちゃんの住むマンションが妙に騒がしい。
ヘリコプターが何機も飛び、大勢の人だかりがあった。
何かあったのか・・・
 
雪希がスマホで検索すると、すぐに答えが出た。
十歳の娘をベランダから突き落とす
県警が母親を逮捕
 
まさか約束を果たす前に夕ちゃんは死んでしまったのか!
ロスタイム中にもう一度死ぬと、ロスタイムは強制終了。
つまり、母親の犯行はなかったことになるのか。
う~ん、なんと後味の悪い結末なんだ。
 
あれ? でも、夕ちゃんとの出会いが、
真司達の運命を大きく変えることになるって話だったけど、
これで終わりなら大きく変わる事もないぞ。
まだ続きがあるのかな。