漫画好きのひとり言

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絢爛たるグランドセーヌ (Cuvie) Scène.093

くるみ割り人形」の舞台を観客席から見た奏とレベッカ
映像と違って、見たいところを自分で選ぶ事が出来るので、
やはり生で見る舞台は良いと感じていた。
 
カメラの外の演技に注目したり、一人の演者ばかり観ていたり・・・
レベッカはエヴリンばかり見ていたようだ。
 
目を引くというか存在が華やか
配役的に ほとんど踊らないのに
立っているだけで絵になる
 
生まれ持った容姿、羨んでも仕方が無い事だけど、
舞台映えというのがあるのだと思わされてしまう
 
レベッカは兵隊の役だったこともあり、
観に来ていた両親に何処にいたのか聞かれてしまったようだ。
個性が出せない役だから仕方ないですよね。
 
舞台を見に来ていた人を見渡すと、子供も多かった。
くるみ割り人形」は子供にも人気。
 
レベッカも子供の頃に見に来ていたようですが、
今は あの頃のように純粋に楽しめない。
色々と気になってしまって、それどころではないらしい。
 
そんなレベッカを見て、観るのも踊るのも
自分が楽しむことが先に立ってばかりの奏はちょっと反省。
 
でも観客席から観て気付いた事もあった。
ねずみは端役とは言え、きっちりスポットが当たり、
ねずみの王が登場するまでは お客さんの目が集中する場面も多い。
 
次の公演は 浮かれすぎないようにしよう!!
 
そう誓った奏だが、次の公演もニヤケ顔が止まらない。
良かった ネズミ 被っていて 本当に良かった・・・!!
(奏らしいなぁ)
 
その事をエヴリンに話したのでしょうね。
今日もニヤケ顔で踊ったりしないでしょうねー?と言われてしまう。
そう、いよいよ振付コンクール決選。
 
キーラまで不安な顔になっていましたが、キーラの作品の役では
踊る事に没頭できるから大丈夫と言っていましたね。
 
本選は観客も大勢入る。
出演しない生徒、招待客、審査員の先生方・・・
 
照明も全然違うというし、
それはまさに予選はリハーサルで、本選が本番と言えた。
 
照明と言われて、奏は色々と考えていましたね。
光が当たっているところに視線は向かうから
照明が変わったらお客さんの印象も随分と変わりそう
キーラが照明の事で悩んでいた理由が分かったようだ。
 
照明ありのリハーサルは照明合わせの一度きり
ビデオに録って いつもの練習との違いを比べてみたかったな
 
同じ作品でも踊っている時と観ている時
違う楽しさがあってワクワクする
ソロのヴァリエーション踊っていた時は
こんなこと あまり 考えなかった
 
トビーの作品は どう変わるんだろう
他の選出作品も気になる・・・
 
しかしここで奏は気持ちを切り替えましたね。
今はキーラの作品で踊る事に集中する時。
 
この作品をお客さんの前で踊る最初で最後の機会
悔いは残したくない キーラのためにも
自分自身のためにも!!
 
一つ一つのクラスが 行事が 評価に結びつく
「バレエ団での日常」を手に入れるための切磋琢磨
 
そして下級生から発表がスタート。
さすが予選を勝ち抜いた作品だけに、どれも見応えがあった。
 
コンクールだから他の出場者は競争相手
どれも これも 手強くて 嫌になるね
 
エヴリンが愚痴ったが、顔は楽しそう
手強い方が張り合いが出ると言うモノでしょう
 
そしてトビーの作品。
観ていた奏は、ついに目を両手で塞いでしまう。
 
トビーの作品を踊りたくなってしまったのだ。
脳が振りを覚えようとしてしまうので、目を塞いだのだ。
次は自分達の出番だし、そちらに集中しないといけない。
 
トビーの作品は拍手喝采
普通なら次に踊る者達はプレッシャーがかかるものですが、
奏とエヴリンはYAGPで経験済み。
二人とも笑顔で舞台に上がっていく。
 
その二人を見て、レベッカは感じていた。
奏とエヴリンは、舞台に立つ時に強いオーラを放つ
 
特に奏は、普段はユルい雰囲気で
争い事なんて好まないタイプに見えるのに
その踊りからは 自分が「最強」だって圧すら感じる
 
古典のか弱い感じの役を踊る時は
どうするんだろうとは思うけど
今 この作品を踊っている奏は とても力強くて
引っ張られる
 
その思いはレベッカだけではないでしょう。
観ている者全てが奏の踊りに引っ張られる。
気持ちが引きずり込まれるのだ。
 
新しい個性が 集団を触発する
 
キーラの作品は間違いなく高評価を得るでしょうね。
結果発表が楽しみです。