漫画好きのひとり言

今までありがとうございました!

憂国のモリアーティ (原案/コナン・ドイル 構成/竹内良輔 漫画/三好輝) #58

潜水艦の設計図は無事回収できたが、
アデアは何者かに殺害されてしまった。
 
狙撃犯はモランである可能性が高く、
この先の対応策を考えなくてはならない。
 
マイクロフト・ホームズが、そんな事を考えている時に、
外務大臣が彼を訪ねてきた。
少し面倒な事態になって、問題解決を頼みに来たようだ。
 
それは駐仏大使のバルモラル卿から
情報部が所有している“狙撃手のリスト”を急ぎ手配して欲しい
と頼まれた事。
 
リストは軍事機密であり国家機密。
外務大臣だけの権限では入手できないと突っぱねたが、
バルモラルはフランスと手を結ぶ為の重要なキーマン。
彼の依頼を無下には出来ない。
 
加えて 彼にも何か差し迫った事情がありそうな様子だった
 
この外務大臣の発言でマイクロフトは、
今回の事件の骨子が見えたようだ。
 
バルモラルが裏で潜水艦設計図の売却に関与していた。
アデアとロシアの仲介人だったのだ。
 
元々、バルモラルはアデアのカード仲間としてリストに上がっていた。
しかし その後、外務省経由で内定した際、
バルモラルの名前だけ抹消されMI6には情報が下りて来なかった。
 
要人の名前が空欄で戻されるのはよくある事だし、
設計図の回収自体には必要な情報でもなかった。
 
だから問題視することもなかったわけだが、
アデアが何者かに狙撃された途端、バルモラルが動いた。
つまりバルモラルは、自分も狙われると自覚があるという事だ。
 
モランは理由も無く人を殺したりしない。
経緯はどうあれ、モランがアデアとバルモラルを狙う理由は単純明快。
彼らが“国賊であるが故”で間違いない。
 
バルモラルは英仏協商を結ぶキーマン。
そんな者が国を売るというのは、かなり危険だ。
 
とはいえ、モランにバルモラルを殺させるわけにはいかない。
どんな理由であろうと悪人を裁くのは法でなくてはならないのだ。
 
そんな話をしている時に訪問者があった。
ボンドが取り次ぐと見知らぬ老人だった。
しかしボンドの名前を知っていて、ボンドも驚いていた。
 
話を聞くと、以前 本を落とした際、
親切にして頂いた時に名前を伺ったらしい。
 
そのお礼に訪問したらしいが、
実は本屋を営んでいて、本を取り扱って頂けないかと言ってきた。
表向きは貿易会社なので、売り込みに来るのは仕方が無いか・・・
 
本を取り出し、ボンドに見せる老人。
ボヘミアの醜聞」や「英国の鳥類」、「カトゥルス詩集」、「神聖戦争」。
どれも掘り出し物の稀覯本ばかり。
 
こういった物は取り扱っていないと断ると、
親切にして頂いたお礼に、この4冊は差し上げると言う。
 
そこの机のブックエンドに、あと4冊あれば綺麗に埋まるでしょう。
今のままでは少々見映えが宜しくないのでは?
 
そう言われ、机に目を移すボンド。
 
確かにそうかも知れませんが・・・
そう言って老人に目を向けるが、ボンドは目を疑ったでしょう。
 
よぉ 久し振りだな
 
そこにはシャーロック・ホームズが立っていた。
驚くボンドに口止めをし、「これでお前とは おあいこだぜ」と言う。
以前、ボンドにやられた事をやり返したのだ。
 
そんな事より、死んでいたと思っていた者が目の前にいるのだ。
ボンドがパニックになるのは当然でしょう。
 
頭の整理が・・・というボンドに
だろうな だから全部話すよ
俺がこうして生きていた事・・・
何故 ここに来たかという事・・・
・・・そして
“あいつ”の事もな・・・
 
そう言って、マイクロフト達がいる部屋に入っていくシャーロック。
誰もが驚いたでしょうね。
 
マイクロフトは弟の姿を見た後、紅茶を入れて一飲みしたが、
よく見ると手元が震えていた。
 
それで兄の心境を察したでしょう。
兄の肩に手を当て
悪かった・・・
ずっと黙っていて・・・
本当にすまなかった・・・っ
兄貴・・・っ
 
マイクロフトもやっと口を開いた。
・・・・シャーリー
お前が生きていてくれた・・・
ただそれだけで 私は嬉しいよ
 
謝るシャーロックに、自分の前に戻ってきたことが全てだと、
気にするなと言うマイクロフト。
それよりも気になるのはウィリアムの事ですよね。
 
シャーロックが生きていたなら、ウィリアムも生きているはず。
彼はどうなっているのでしょうか。