漫画好きのひとり言

今までありがとうございました!

ましろのおと (羅川真里茂) Track.110

アレクセイが手掛けた映画の初回上映が始まった。
まずはアレクセイの挨拶。
 
長い間、映像を作る事が出来なかった
自分の作品に疑問を持って前に進めなくなっていた
今までのやり方が思い出せない
色々腐っていくし その間“ゾンビ”だった
 
でも今回 短編という形で作り上げる事が出来た
それはなぜか
記憶を辿ったら分かった
 
自分は生き方が下手で
周囲の人の助けに感謝すら出来ないクソ人間だって事が
 
そして原点に戻った 俺を生かすのは映画だ
ひとつの曲が世界を結ぶテーマに
10年振りに創り上げた本作 どうぞ感じて
 
こうして始まったアレクセイの映画。
STCが奏でる「春暁」をバックに流れる映像
挫折や現状にもがき苦しむ人の姿や、
その人を見つめ、包んでいく人の姿が映し出される
 
相変わらず・・・ 清々しく 意味の分かんね 映画ですた
 
これは映画を観た梅子の感想。
梅子は、映画を観ている最中、父親の姿を思い出していた。
 
食べるために三味線を弾かなくてはいけない
家を出る時が一番辛い
 
寒くて ひもじくて
もう良いだろうと思った時
眼玉が熱くなって
 
そうしたら瞼の裏に光が映って
見えないはずの「暁」が見えた
すごく驚いた
あれから少しずつ三味線を弾くのが好きになった
 
旅先で 自分の音を覚えている人がいて
「あんたの三味の音が好きだ」と
「また聴ぎてがった」と 言ってくれた
それで報われた
 
父の言葉が映像と重なった。
 
雪達もビデオでアレクセイの映画を観ていた。
感性がすぎる
意味がちっとも分かれへんかった
映像がキレイだった
乙女チック?な感じ
 
やはり難解なムービーのようだが、
それがアレクセイムービーらしい。
 
そして日本公開があるかどうかだが・・・
それが問題 アレクセイムービー とのこと。
 
でも映像と音楽がピッタリと合っていた
自分達の音が映画に使われた事は素直に嬉しいのだ。
 
毎日 毎日 三味線ば弾いで
飯 食れば いいな
何があっても
 
そう思いながら、雪はステップを踏んだ。
やはり嬉しいようだ。
 
雪が下宿先に帰ると、桜が料理をしていた。
店に出す料理(今回はおはぎ)を父から教わっていたのだ。
 
料理に頑張る桜を見守る雪。
どんな心境で見つめていたのでしょう。
 
完成したおはぎは、まだ歪でしたが、味は確か。
食べた雪は美味しいと言っていました。
 
久し振りに桜と話す雪。
桜は高校卒業したら製菓の専門学校に行くと言う。
 
そう言った後、恥ずかしがる桜。
唐突すぎたかなと思ったようだ。
 
桜は雪が頑張っているから、自分も頑張ろうと思っているようだ。
雪が変わっていくのに、自分は止まっている気がして・・・
 
それを伝えると、雪は変わっていないと言うが、
桜は「雪さんが変わらなくても 雪さんの周りは変わります」と言う。
 
この言葉が雪に刺さる。
これは 前にもあった 失う感情
 
何かを得ようとすると、何かを失うのか・・・
 
翌日、若菜から電話があった。
いきなり連絡が取れなくなるのも何だなと
伝えておく事があると言う。
 
俺は お前ぇの兄貴ば やめる
同じステージで「春暁」を弾げるまで
お前どの連絡ば断づ
これは俺の決意だ
 
雪の「春暁」を聴いて、若菜に火が点いた!
梅子にとっては思うつぼでしょうけど、
雪はショックでしょうね。
 
桜が言っていた事にも当て嵌まりますね。
自分は変わったつもりがなくても、
周囲が変わる事で、変わらざるを得なくなる。
果たして雪はすぐに受け入れる事が出来るでしょうか。