漫画好きのひとり言

今までありがとうございました!

憂国のモリアーティ (原案/コナン・ドイル 構成/竹内良輔 漫画/三好輝) #59

シャーロックが生きていた。
あの日、ウィリアムと共にテムズ川に転落し、
シャーロックだけがルイス達の目の前に立っている。
これはどういう事か、説明が欲しい所。
 
ウィリアムを抱えて落下したシャーロック。
武術の受け身の体勢で着水に臨み、意識を失った。
そして気が付くとベッドの上にいた。
隣のベッドにはウィリアムの姿もあった。
 
慌ててウィリアムの確認をしようとすると、
横から「動かないでね」と声を掛けられた。
その声の主はヘンリーと言った。
 
言葉の訛りや腰のシングル・アクション・アーミーから
ヘンリーは米国人だと分かった。
本国ではウィリアム・H・ボニーと名乗っていて、
ビリー・ザ・キッド”と呼ばれていたようだ。
 
その男がシャーロックとウィリアムを救ってくれた。
どうやら、自分達の素性を知っていて救ったようだ。
 
ビリーはアメリカ合衆国司法省の人間で、
彼の話では、合衆国は二人に大きな関心を寄せていたらしい。
 
二人共 心肺停止しちゃってたんだよ!
だから暗い下水道で蘇生法やってさぁ
こうやって手当てはしたけど
モリアーティさんは まだ意識が戻らないし
暫くは付きっきりの看護が必要だよねぇ?
 
当然、彼らはシャーロック達に何か期待している。
 
助けたことを少しでも恩義に感じているなら
当分の間 合衆国の仕事を手伝わない?
 
そもそもウィリアムは死んだ事にしておきたい。
合衆国だったら素性は不問だ。
 
合衆国も複雑な国内事情を抱えている。
それにビリーの言うことにも一理ある。
こうしてシャーロックはビリーの依頼を引き受ける事にしたのだ。
 
現地の探偵社を隠れ蓑に仕事を幾つかこなし
数ヶ月が過ぎた頃・・・
 
ウィリアムの様子を窺おうと部屋に行くと、姿がなかった。
急いで姿を捜すと屋上のベンチに座るウィリアムがいた。
 
ウィリアムが身体を動かせるようになってからは
二人で数年仕事をした。
(そのエピソードも番外編などで描いて欲しいですね)
 
その後、シャーロックは一人で東アジアから中央アジア
そして北欧を旅した。
フランスのモンペリエにある小さな研究所に滞在している時に
ウィリアムから電報が届いた。
そこに“MI6に協力してやってくれ”とあった。
 
こうして秘密裏にロンドンに戻ってきたシャーロック。
合衆国でのウィリアムとの事を話すには時間が足りないので、
詳しいことは今度ゆっくり話すと言う。
 
ウィリアムが生きている。
ルイス達にとっては、これだけも十分嬉しい報告でしょう。
 
喜び湧くものの、モランの話になって少しトーンダウン。
そう、この場にモランはいないのだ。
 
路頭に迷っていたモランに手を差し伸べてくれたのはウィリアム。
ウィリアムがいなくなってからのモランは・・・
 
お前のいない この三年・・・
俺がして来たことは間違っちゃいない・・・
全ての罪と罰を今度は俺が背負うと心にお前に誓った
俺は俺の成すべき事を果たせば良い・・・
そうだろ? ウィリアム
 
モランはまだウィリアムが死んだと思っている。
だから一人でイギリスの為にならない人物を消しているのでしょう。
もしウィリアムが生きていると知ったら・・・
 
モランの事はともかく、今は作戦に集中する時。
バルモラルは明日のレセプションパーティー
英仏協商を決裂させるつもりだ。
 
そして、その会場には必ずモランも姿を現わす。
バルモラルの計画を止めるために。
 
そこでルイス達に課せられているのは、
バルモラルの企てと、モランによるバルモラルの暗殺
その二つの阻止だ。
 
シャーロックは、その二つの阻止を成功させるために
ウィリアムが寄こしたのだ。
 
ルイス
リアム本人が ここにいない以上
俺の事を信じられねぇ気持ちは よく分かる
だが・・・
今だけは俺を信用してくれ
 
・・・俺はもう 謎を解くだけの男じゃねぇ
さぁ 今度はこっちから仕掛けに行こうぜ!
 
シャーロックとルイス達が手を組んで難問に挑む!
これはこれで面白い展開です。