漫画好きのひとり言

今までありがとうございました!

弱虫ペダル SPARE BIKE (渡辺航) SPARE.99

尽八は頂上で待っていた。

田所は何故ここにいるのか訊くが、

尽八の答えは実にシンプル。

尽八も筑士波大に入ったのだ。

 

尽八は巻島を追って明早大に入ったと思っていたが・・・

巻島から訂正の電話でもあったのか!?と訊くと、

「ああ、直接な」と尽八は答えた。

 

どういう意味か田所は分からなかったでしょうね。

実際に会って話をしていたのだ。

 

「嘘を言ったつもりはなかった」と田所は謝るが、

尽八は「かまわないよ」と言う。

 

イギリスに行ってしまい、希望が叶わなくて残念だったなと声を掛けるが、

尽八に落胆の色はない。

大丈夫だよ 田所迅

その希望 つなぐために ここ(筑士波大)に来たのだ!!

 

そして山を下り始める2人。

尽八が口を開く。

時に田所迅 下りは得意か!?

 

当然、得意と答える田所。

ならばどうだ 久し振りに再会したのだ

せっかくだから勝負というは!!

 

中腹の神社まで下りが続き、

右カーブののち200mほど駆け上がると小さな歩道橋がある

その下をゴールとした。

 

平日の昼間という事もあり観光の車はほとんどない

そして信号のない一本道

勝負にはうってつけだ。

 

登りのスペシャリストと平坦のスペシャリスト

2者が唯一対等に闘えるのがダウンヒルだ。

 

最初は尽八が先頭。

田所は尽八の速さに驚き、

尽八は田所がしっかり付いてきている事に驚いていた。

 

そして外から田所が尽八を抜く。

前に出た 連なるコーナーでギアを上げて踏んでくるとは!

命知らずか!!

 

おめェもだろ東堂

コーナーギリギリを攻めるので、肘がガードレールに触れる。

ああ くそ 楽しい!!

楽しいぜ!! このヒリヒリした全身の血が沸き立つ感覚!!

くそォ これだ!! 最高だぜ

オレが求めてたのは これだァ!!

思わず口に出てしまった田所。

その隙をついて尽八が前に出る。

 

追い掛ける田所だが、尽八の背中の文字が目に入ってきた。

まて 東堂 何だ その背中の・・・・

今までロゴか何かだと思って気づかなかった

背中の・・・ ジャージのその文字は!!

 

そこには“筑士波大学 自転車競技”とあった。

 

競 技 部

・・・ねェ・・・はずだ・・・・

筑士波大学には自転車競技部はねェはずだ!!

 

そうだな

まぁ 事前に調べて 筑士波大には部がないことはわかっていたからな

入学前から出向き資料を揃えて働きかけて

作ったのだよ オレと―― もう一人 昔馴染みの男と2人でな!!

新設したのだ

筑士波大学に!! 自転車競技部を!!

 

サイクリング部に気持ちが傾いていたが、

尽八と勝負をして自転車競技の魅力を再認識し、

そして部があると分かったのだから、

もうこれは自転車競技部に入るしかない!!