漫画好きのひとり言

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やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。@comic (原作/渡航 作画/伊緒直道) 103.5話

いろはから八幡と平塚先生が応接室に入るのを見かけたと言われ、

雪乃は察したようだ。

いろはにプロム関連の発注書の提出を依頼する。

これでプロムを進められると確信したのだ。

 

たった一つの“本物”に 焦がれるほどに憧れたから

焦れるくらいに拗れてしまって

ただただこの身が焦げていく

それが痛ければ痛いほど 信じることができる

選んだ答えが“本物”だと

 

どうかこれが 正しい終わりでありますように

 

奉仕部に入っていく雪乃。

八幡をここで待つ。

 

待っている間、雪乃は八幡との会話を思い出していた。

自分で言うのも何だが、そこそこ優秀だと訴えた八幡。

実力テスト文系コース国語学年3位!

顔だっていいほうだ!

 

雪乃は呆れたように言った。

3位程度でいい気になっている時点で程度が低いわね

だいたい一科目だけでは明晰さの立証にならないわ

 

成績だの顔だの 表層的な部分に自信を持っているところが気に入らないわ

あと、その腐った目も

もう目のことはいいだろ・・・

そうね・・・ 本当につらいのはご両親でしょうに・・・

 

・・・さて これで人との会話シミュレーションは完了ね

私のような女の子と会話ができたら

大抵の人間とは会話できるはずよ

これからは この素敵な思い出を胸に

1人でも強く生きていけるわね

・・・・そうだな

 

反論せずに受け止めた八幡に驚く雪乃。

そしてここで思い出すのを止め、

あの時 八幡が座っていた席を見つめる。

 

素敵な思い出・・・ ね・・・・

 

そう呟いた時、扉が開いた。

・・・やっぱり ここにいたか

 

こんにちは

そろそろ来る頃だと思っていたわ

 

八幡は雪乃の対面に座るが、姿勢は横を向いていた。

視線を合わせる事が出来ないのだろう。

プロムは雪乃の案が通った事を伝えた。

そして「だからまぁ・・・ 俺の負けだな」と言う。

 

それを受けて雪乃はこう言った。

ええ あなたの勝ちね

 

結局八幡のやり方に乗せられた。

実質的には八幡の勝ちと言うのだ。

 

それを見越していたのなら雪乃の勝ちと八幡は言うが、

「プロム自体に反対されている」という前提が崩れない限り

その論法は成立しないから確実ではなかったと雪乃は言う。

・・・でも あなたなら どうにかしてしまう気がしてた

 

八幡は雪乃からそんな言葉が出るとは思わず驚いていた。

信頼が重いな・・・ びっくりするわ

私も驚いた 自然にそう思ってたんだもの

そう思うくらい ・・・あなたに依存していたの

八幡は“依存”という言葉を聞いて、嫌な予感がしたでしょう。

嬉しそうな顔はせずに不安な顔になった。

 

・・・仮にそうだとしても 実現するのはお前の案だ

勝利条件は「互いのやり方でプロムを実現させる」・・・だろ?

 

・・・私の勝ちで いいの?

じゃあ・・・ 私の言うことを聞いてもらっていい?

 

結局、どう言っても流れを変えられないようだ。

八幡は雪乃が何を言おうとしているのか分かっているのでしょう。

それを何とか止めたい。

 

・・・いや そうはならないだろ

確かに今回はお前の勝ちだ

けど それが全体の勝敗に直結するわけじゃ――

 

しかし八幡は自分が以前言ったことを思い出した。

 

勝利条件の話をするならば

「この勝負に勝てば私の勝ち言うことを聞いてもらう」と

・・・確かにそう言ったわ

 

雪乃の気持ちは揺るがない。

だけど、何とか八幡は雪乃の決意を変えたかった。

見解の相違だ

だいたいこれは勝手に決めることじゃない

それにジャッジは平塚先生の独断と偏見だ

それにだいたい――

 

必死になっている八幡を見て、雪乃は揺らいでいた。

彼の言葉ひとつひとつに私の決心が揺れる 揺れてしまう

終わらせたくなくなってしまう

また依存をしてしまう

・・・・・・だから

 

・・・正直に言うわ

楽しかった 初めてだった

おい・・・ なんの話だ・・・

一緒に過ごす時間が 居心地いいって思えて 嬉しかった・・・

 

あんなふうに 言い合いしたり 喧嘩したり

・・・人前で泣いたことなんてなかった

2人で出掛けるのだって凄く緊張して

誰かに頼ってもいいって そんなことも知らなかったの

 

だから どこかでまちがえて・・・

・・・・・・

・・・こんな紛い物みたいな関係性はまちがっている

あなたが望んでくれたものとは きっと違う

 

八幡はただ黙って聞いているしかなかった。

俯いて、少し考えて、でも返す言葉は無かった。

 

・・・私は大丈夫

もう・・・・・・大丈夫

あなたに助けてもらえた

この素敵な思い出を胸に 強く生きていけるから・・・

 

だから ・・・これで終わりにしましょう

由比ヶ浜さんのお願いを叶えてあげて

 

そう伝えた後、雪乃は席を立ち、

奉仕部の部室から出て行こうとする。

 

・・・それがお前の願いでいいのか

ええ これが私の願い

 

・・・・・・わかった

その八幡の答えを聞いてから、雪乃は扉を閉める。

 

そして雪乃はうずくまる。

涙を流しながら願った。

 

どうかこれが 正しい終わりでありますように

 

八幡との関係を終わらせようとしている雪乃。

これ以上依存しないためと言っているが、

依存して良いのではないだろうか。

それの何がいけないと言うのか。