漫画好きのひとり言

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小林さんちのメイドラゴン (クール教信者) 112話

テルネは群れの力を増すことに明け暮れ、

自分の力を信じ続けることが出来なくなっていた。

エルマの叫びは、そんなテルネを否定するのに十分だった。

しかしテルネに怒りはなかった。

むしろ心地よさを感じることに少し戸惑っていた。

 

苛つくとしたら、我が身ひとつで飛び込んできた若き力(トール)

負けておいて なお どうしてあそこまで自分の力を信じられる?

だが・・・ 年甲斐もなく昂ぶってる自分がおる・・・

そうじゃな・・・ 今一度確かめよう・・・

ワシとこやつらを!!

 

テルネVSトール&エルマ

いくらトールとエルマが強いとは言え、テルネは調和勢ナンバー2。

その強さは桁違いだった。

 

テルネは視界の全てを遠近無視して自由に触ることが出来て、

そこから圧倒的な力でぶん殴れる。

トールは苦手な防御をエルマに任せたが、これは正解だった。

 

テルネの全力の挟み込みをエルマが防ぐ。

テルネはホッとしていたが、彼女は勝ちたいわけではないだろう。

 

3人の戦いを遠巻きに見ている者がいた。

それはアーザードやファフニール

ファフニールが何故?と思ったが、

どうやらアーザードが連れてきたようだ。

 

アーザードが持っている秘宝をいくつか渡すことで交渉成立。

本当に対価はそれだけで良いのかとアーザードが訊いていますが、

ファフニールはそれで十分のようだ。

そもそもファフニールは秘宝より大切なモノがあるのでしょう。

今はそれを失いたくないからアーザードの頼みを聞いているのだろう。

 

ファフニールが戦いに参加しない理由は、茶番だから。

テルネの本気はこんなものではなく、

手加減している(勝つ気がない)と分かっているからかもしれない。

 

手加減していても圧倒的なテルネ。

どうしたエルマ! どうしたトール!!

その程度ではまるで届かんぞ!!

 

欲望を抱えたドラゴンは空想の絵図を抱き締める・・・

それが幸福に終わるには・・・

時として運命は壁となり遠のく手綱ともなる・・・

ならば・・・

 

テルネが作った水の障壁を突破して襲いかかってきたトールを

瞬時に別の水の壁で吹き飛ばしながら続ける。

顎を研げ 食い破るほどの・・・

食い込んで離さぬほどの!

 

トールとエルマも何とか反撃を試みるが、

テルネはあっさりと躱し、強烈な水流をお見舞いする。

いかんな・・・ 適当な所で自然に負けてやるつもりだったが・・・

この程度で負けたら不自然じゃ・・・

 

はぁー やっぱり強いですねぇ テルネ老・・・

ならばどうする? ここらで許してもらって

微妙な気持ちで帰宅するか?

それはもちろん・・・

 

トールの戦いを安全な場所から見ていた小林さん、カンナ、イルル。

これではトール達に勝ち目がない。

イルルやカンナが加勢に行っても、かえって足手まといになる。

小林さんも「命乞いして許してもらえないかなぁ・・・?」とお手上げ状態。

そんな時、トールが戻ってきた。

 

小林さん! 助けてください!

よし! 命乞いだね! 任せておいて!

(交渉で何とかしようとしているよ)

 

小林さんを連れてテルネのもとに戻ったトール。

テルネ老! 覚悟するんですね! 小林さんが来ましたよ!!

ビックリした表情のテルネ。

それは小林さんも同じだ。

あれ? もしかして私 戦力? 嘘でしょ?

 

いや・・・ 何で そこで小林さんなのだ?

エルマもビックリだ。

いやいや・・・ 場違いすぎるじゃろ

 

ここで小林さんの中の神剣が訴える。

いや・・・ いや いや いや・・・

ここは僕に頼るところでしょ・・・

あのね 私は 剣はおろか 包丁だって もうずっと握ってないの

え 僕は家事がご無沙汰なOLの料理道具と同レベルなのかい・・・

そう・・・ ずっとトール任せで・・・ あ・・・

ここで小林さんは何かを思い付いた。

 

テルネちゃん・・・

私って戦ったら死ぬと思うんだけど・・・

それでも戦う?

そんな斬新な命乞いがあるのか!?

一発だけ打ち込むから それがダメだったら降参していい?

あげく条件を出してきおった!?

 

そして神剣を取り出す小林さん。

テルネも察したようだが、テルネは神の加護を受けた竜。

神の力で攻撃されても弾くのだ。

だから効果は・・・

 

ここで小林さんが想定外の行動を取る。

神剣をトールに渡したのだ。

なるほど家事をトールに任せていたという所から思い付いたのだろう。

 

しかし神の加護のない混沌勢が剣を握ったら手が焼ける・・・はずだった。

小林さんから渡された神剣を嬉しそうに受け取るトール。

どうやら平気なようだ。

 

おお! すごい力が湧いてくる!!

なんでじゃー!?

 

ま まさか・・・ 変質したのか!?

トールに刺さって・・・ 小林に取り込まれて・・・

キムンカムイとの一件で魔力の器ごと消えて

そのスペースを使っていたから影響を受けて・・・

小林の加護を受ければ自由に神剣が使える・・・!?

ならば あれは・・・ ワシにも効く!?

なんじゃそれ! 信仰心も持たぬモノが奇跡を起こしおって~!?

 

しかしテルネは覚悟を決める。

ワシもまた試されているということかの・・・

 

竜の姿に戻るテルネ。

いいじゃろう・・・ 一発勝負!

受けてやろう!!

 

剣を構えるトールにエルマも手を添えてきた。

小林さんも後ろに控えた。

いやー 後ろでイキってて ごめんね

何 言ってるんですか

普通の人は後ろにすら立ちませんよ

 

そうだぞ 小林さん!

・・・・

考えてみると私は小林さんも大好きだな・・・

 

はぁ!? 今 言うことですか!?

トールもでしょ?

小林さぁ~ん!!

 

二股トール

淫乱ドラゴン

ひどいですよ~!!

 

くく・・・ いくぞ!!

テルネが力を溜めた。

 

なぁ エルマ・・・

私は・・・ お前が・・・

 

運命の一発勝負!

果たして勝負の行方は・・・