もののがたり(オニグンソウ) 八十一話
唐傘と互角に戦えている。
そう見えていた。 しかし錯覚だった。
常世の穢れを現世に放つなど
まさに神の御業でなければ成し得ない
どちらの世界にも縁を持つ現世神の御業でなければ
そして唐傘は天恵として 権能の一部を授かっている
彼らは神の代行者に格上げされたのだ
勝ち目は潰えた・・・
婚礼調度達だけではない、菫と紅緋も、白百合も、
そして兵馬も例外では無い。
とにかく兵馬には数で押してくる。
体力が嫌でも削られ、しかも次の相手は師範クラス。
こんな所で時間を割いている場合ではないのに・・・
大樹も苦戦中。
塵外が相手ですからね。
どのみち大樹に残された時間は、あまり長くない。
それなら不確定要素があっても切り札を使うべき。
そう決意した大樹だったが、目の前に更なる強敵が現れた。
椿だ。
本当に椿まで取り込まれてしまったのか・・・
このままでは、どう逆転するのか分らない。
椿は操られているフリをしているとでも言ってくれよー