馬姫様と鹿王子 (椙下聖海) 17話
かつて奈良の都は
飢饉や災害、天然痘の大流行に襲われ
民の暮らしは辛く苦しいものだった
祈りによって災いから逃れようとした聖武天皇は
すべての民が仏のご加護を賜るよう願いを込めて
巨大な仏像を建立された
この仏像は通称「奈良の大仏」と呼ばれ
今もなお人々に親しまれている
奈良の大仏様に会いに来たまほろ。
瑠璃さんから説明を聞きながら、大仏様を見ていましたが、
思ったほど大きいとは思えなかったようだ。
さすがに想像の何億倍もってことはなかったよ~
真魚は笑顔で「うん 実際のサイズはねー」と答える。
これはどういう意味なのか。
大仏様は平安時代と戦国時代に焼き討ちに遭っている。
首が落ちた状態で何年も雨ざらしだったこともある。
でも 何度壊れても その度に修復されてきた
この大仏様は 歴史そのものだと思うの
奈良時代から始まって、現在に至るまで
人々に想いが受け継がれたからこそ
大仏様は今日もここに在り続ける
瑠璃の言葉には、大仏様への深い愛が覗えますね。
その言葉にうっとりする会長は、少しキモイです。
真魚がまほろを呼び、見て欲しいモノがあると言う。
大仏様が座っている蓮の花のレプリカを見せ、
そこに何か彫ってある事に気付かせる。
そこには仏教の世界観が描かれている
細かい説明は省きますが、
自分達が住んでいる小宇宙は蓮の花びら一枚。
つまり、そこに座っている大仏様の大きさは、
とんでもない大きさになるのだ。
まほろにとって仏像の世界への入口は小さなポスター一枚だった
でもそこから世界が宇宙まで拡がっていったのだ
まほろは鹿沼先生の好きな世界の正体が
また少し分かった気がしたようだ
(良い話だな-)
その頃の春鹿は猿沢池の確認中。
特に異変は無いようだが、子鹿を撮る人間達を見て、
春鹿は昔のことを思い出してしまった。
それは母親が交通事故で死んでしまった時の事。
人間への憎しみが増した春鹿。
その想いに猿沢池が反応?
池が闇に包まれてきたよ。
悪い事が起きなければ良いが・・・