漫画好きのひとり言

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絢爛たるグランドセーヌ (Cuvie) Scène.090

学内振付コンクール本番目前
奏達はバレエ団の「くるみ」公演のリハーサルの合間を縫って、
練習に励んでいます。

キーラの作品ではあるが、奏達がオリジナルキャスト
完成させるのは奏達なのだ。
時間が無くても最高のパフォーマンス見せられるように
全力でぶつかっていた。
 
こういったパフォーマンスは先生方への良いアピールになる。
奏も良い成績を残さないと、奨学金制度の対象になれないどころか
この学校を追い出されてしまう。
そう思うと余計に熱が入ってきますよね。
 
コンクールは予選があり、学年内で選考があって、
そこで選ばれた作品が全校での本選に進む。
まずは予選突破が目標ですね。
 
トビーの作品のダンスに目が行った奏。
以前より格好良くなっていて、目が離せなかった。
トビーにその話をすると、ブキャナン先生のアドバイスがあったようだ。
 
ダンサーの良い所を活かしてやれ。
トビーは小柄だけど振付まで小さくなるのは嫌だし、
大柄な者が踊ってちゃんと映える振付じゃないとダメなんだと。
そして小芝居みたいな演技があるモノではなく、
踊りそのものの良さを見せたいと思ったようだ。
 
皆、頑張っている。
奏も負けていられない。
 
消灯までの短い時間だろうと、踊れる時間があるなら踊る。
七海はそんな奏に驚いていましたね。
 
七海も出品はしないで踊るだけですが、
その時の言葉に引っ掛かりを覚えましたね。
「プロの振付家の作品の方が踊り甲斐があるよ」
 
そんな七海に自分はオリジナルキャストになれるのは嬉しいし
友達が創った作品は凄くて踊るのも楽しいと言うが、
七海は「ふぅん ・・・予選通過出来たら良いね」と素っ気ない。
 
奏は違和感があったようですが、今はダンスに専念する時。
すぐに集中して練習していました。
七海は納得がいかないキャストや作品内容だったのかな?
 
こうして訪れたコンクール当日。
何と審査員にはニコルズ先生の姿もあった。
 
見て貰えるのは嬉しいが、緊張もするでしょう。
でも奏は緊張もバネに出来る子だから大丈夫か。
 
誰かと競うというのはどうしてもワクワクする
コンクールではずっと個人エントリーだったから
友達もライバルだった
 
でも今回は皆で てっぺん獲りにいける!!
 
イーサンやジェシカの作品を観た奏。
合同演習の時よりも断然良くなっていて、燃えてきたようだ。
 
しかしエヴリンに言わせると、イーサンの作品は中途半端、
ジェシカの作品はちぐはぐ。
どう見てもキーラの作品の方が優れているようだ。
 
そしてキーラの作品の番。
タイトル「ENCOUNTER」
冒頭は奏とエヴリンのパート。
 
二人は異物であり
集団とは相容れない性質を持っているばかりに
拒絶されて攻撃を受ける
 
集団は同質の存在
学校で教わる基礎に忠実に正確に踊って きちんと揃える
 
奏とエヴリンは異物
得意な動きを最大限活かして踊って「集団」に抗う
 
ダンサーの役割が明確な分、観ている人にも伝わる
伝えられる
 
ニコルズは奏達のダンスを観ていて笑みがこぼれていましたね。
これはどういう意味なのだろうか。
 
奏とエヴリンは、たとえ集団に取り込まれても
個性は簡単に失われたりしない
 
それぞれの「個」が持つバックグラウンドが
集団の色合いに変化をもたらす
異物は取り込まれるどころか、逆に集団を変えていくのだ。
 
実にドラマチックな展開。
皆はライバルの作品とか先生からの評価とか抜きで
キーラの作品から目が離せない。
 
それはドラマの続きが気になるからだ。
人は物語に惹かれる
その力はとても強い
 
ライバル達の視線を集めるキーラの作品。
かなり手応えがあるはずですよね。
予選通過は確実?