漫画好きのひとり言

今までありがとうございました!

絢爛たるグランドセーヌ (Cuvie) Scène.098

一週間なんてあっと言う間。

紫萱は名残惜しそうに帰って行きました。

奏とは再会を誓っていましたが、あれだけの実力があるのだから、

きっとロイヤル・バレエ・スクールに来る事が出来るでしょう。

 

紫萱にとってはあっと言う間だったが、奏にとっては長い一週間。

観光したり咲希と親交を深めたりと、楽しい時間を過ごせたが、

やはり奏はバレエの虫。

 

オープンクラスに行ったり、ステイ先の家でストレッチしたりしたが、

全然動き足りなかった。

それに紫萱が濃密な一週間を過ごしたと思うと

置いて行かれるのでは無いかと焦る。

 

早くホワイト・ロッジに戻りたい!

 

ホワイト・ロッジに戻る道中、咲希が奏に話していた。

奏と過ごした一週間は楽しかった。

けど・・・ ちょっとヤバかったね

 

奏がバーレッスンをしている時、咲希がアドバイスをしていた。

奏はありがたかったと言ったが、咲希は奏が良い生徒過ぎて困ったようだ。

打てば響くってか・・・ 注意してくれるし 直そうと努力するし それが見えるし

人に何かを教えるって 楽しいこと・・・ 気持ちいいことなんだよ

うまくいき過ぎると怖くなるくらいに

 

なるほど、だからヤバかったと言ったのか。

奏は驚いたような顔をして聞いていましたが、

咲希は気にしないでとフォローする。

自分が未熟なせいだと言う。

子供達に教える実習があって、

全然上手くいかなくて凹んだ事があった。

生徒が みんな 奏ちゃんみたいなら いいんだけど

そのままでいてよね 奏ちゃん

 

う? うん・・・

奏は何と返答して良いのか困ったでしょうね。

 

そして寮に戻ってきた奏。

部屋には誰もいないので、一番乗りだったようだ。

荷物を置いて急いでスタジオへ。

 

スタジオにも一番乗りだったらいいなっ

回りたい 跳びたい 速く 速・・・

そう思いながらスタジオに飛び込むと

「だから そこテンポが早いって!」という声が聞こえてきた。

 

七海とアーサー、ジョシュアが練習していたのだ。

内容から察し、この前の振付作品の練習だと分かる。

 

話を聞くとサマー・パフォーマンスに向けて、

改訂版の制作をしているとのこと。

サマー・パフォーマンス(夏の発表会)では、

振付コンクールで入選した10年生と11年生の一部が出品するらしい。

 

それを聞いて奏は、

キーラの作品を もう一度踊れる機会を得たと喜んでいた。

全ての作品が出品できるわけではないが、

キーラの作品は最優秀なので、きっと選ばれるだろう。

 

ちなみにジョシュアは、

まさか自分の作品が選ばれるとは思っていなかったようだ。

それについては七海が奏にお礼を言っていた。

選ばれたのはコンクールの後も練習していたのを

先生が見ていてくれたから。

練習を促してくれた奏のお陰とも言えるのだ。

 

練習を再開する七海達。

それを奏はバーレッスンしながら見ていたが、

この作品も踊ってみたいと思っていた。

 

見ていて気持ち良いから、きっと踊っても気持ち良いだろう。

踊りたかったが、真後ろで真似したら邪魔だろうから止めたようだ。

そしてサマー・パフォーマンスに思いを馳せる奏。

練習で踊るのも もちろん好きだけど

ライトを浴びてお客さんの視線を集めながらってのは やっぱ格別

 

今までで一番気持ち良かったのはYAGP決選のディアナかなー

あ でも こないだのねずみもヤバかった

あれを超える経験が この先待ってるかもしれないと思うと

なんだって引き換えにできるよ

 

気合いを入れ直し、練習に熱が入る奏。

練習を終えて部屋に戻るとエヴリン達がいた。

「うおー! みんな久しぶりー!!」と喜ぶ奏。

 

休みの間に何をしていたか話をした後、

話題はサマー・パフォーマンスのことに。

キーラに確認すると、先生から話を貰っていたと言う。

キーラのことだから休みの間に色々と考えていたでしょうね。

 

エヴリンが何をやるのか訊くと、「ENCOUNTER」の改訂版をやると言う。

それを聞いて喜ぶ奏。

エヴリンも「また私達がメインか~」と嬉しそうだったが、

ここでキーラがちょっと言いにくそうに話を始める。

「・・・あの 今回は・・・ 2人には群舞を お願いしたいと・・・思ってて」

それを聞いてエヴリンが怒る。

はァ!? なんで!? 私達に何か不満あった!?

 

理由が知りたいと言うエヴリン。

それは確かでしょう。

 

ふ・・・ 不満はない・・・・・・・

ただ 2人にも群舞 踊ってみてほしく・・・なって・・・

 

キーラにそう言われ、奏はニコルズ先生の言葉を思い出した。

「あなた達が群舞の方の振付で キッチリ 踊れたらいいなって」

 

これは良い機会だ。

奏の気持ちは決まった。

踊りたい

踊らせて キーラ

「ENCOUNTER」の群舞

 

キーラが奏とエヴリンの群舞を見てみたくなったというのも、

2人ならどう踊るか見たいからでしょう。

それだけ2人の実力を評価しているという事。

これは期待に応えるしかない!