私の少年 （高野ひと深） 39話

真修の弟・遼一が友達の家に
泊まりがけでゲームをする（ゲーム合宿）と聞き、
勉強もしないで・・・と文句を言う真修の父親。

機嫌が悪そうなので、聡子のことを話しづらいと思っていたら、
父親の元樹から明日の予定を聞かれたので、正直に聡子に会うと伝える。

それを咎められはしなかったが、17時までに家に帰ってくるように言われる。
高校生になって17時に帰れって・・・と思うが、
「遊びほうけるなら　その分　勉強もしろ」と言われては反論できない。

祖母は真修がいなくなったあと、
真修も高校生なんだから、そんな縛らなくても
自分で色々判断できるでしょうと、元樹に注意するが、
「じゃあ　親は　何をすればいいんですか・・・」と言う。

元樹もどう接して良いのか分からないのでしょうね。
その年齢なら、様子がおかしくなければ、
温かく見守るのが良いと思うのですけどねぇ。

そんなわけで17時には帰らなくてはいけなくなった。
真修はそれを聡子に伝え、まずは何か食べて、
その後のことは作戦会議ということに。

回転寿司が目に入ったが、
子供の頃の嫌な思い出が過ぎり、躊躇した真修。

その思い出を良い思い出で塗り替えようと聡子に言われ、
そういう事なら・・・と回転寿司に入る事に決定。

聡子も回転寿司は久し振りなので、
色々と変わっている事に驚いていましたね。
（回転寿司はどんどんシステムが変化しているもんなぁ）

よく食べる真修を見て、聡子は思い出していた。
あの頃も、自分が食べることより
目の前の真修を見ている方が楽しくて、幸せで・・・

そんな事を思っていたら、真修が突然、
「お母さん」と言うじゃないか。
（聡子に向かってお母さんと言ったように見える）

聡子は元樹の言葉を思い出していた。

真修は自分（元樹）のことを、相当恨んでいるのではないか
二度も自分から母親を奪ったって、そう思っていてもおかしくない
母を亡くして、おまけに母のように慕っていた聡子までも・・・と

真修は自分と亡くなった母を重ねていた？
それは以前、自分が椎川と父を重ねていたように？

そんな事を思っていたら、真修は席を離れ、
子供の靴が落ちましたよと、子供を抱いた母に伝えに行く。
そうか、その人に向かって「お母さん」と言ったのか。

聡子もホッとしたような・・・
そこで踏み込んで聞いてみようと思った聡子だったが、
それよりも先に真修が映画のチラシを広げる。

どの映画を観るか決める為にチラシを持ってきたようだ。
でも、チラシの映画って、大体上映日が先なんですよねー
それを指摘した後、聡子は切り出す。

私のこと　「お母さんみたい」って思ったこと　ある？

真修はビックリしていましたね。
そして聡子は元樹に言われた事を真修に話す。
 
父親がそんな風に思っているなんて、
真修も思う所があるでしょうね。
 
真修は聡子に「（お母さんみたいに思った事）あります」と答える。
もちろん、過去の話であり、今ではない。
 
そもそも真修には、母親の記憶がそんなにないので、
聡子と実の母親を重ねられないのだ。
 
・・・だけど　なんとなく　感覚的に
聡子さんの手が　お母さんの手みたいだって　思ったことはあります
・・・だから　ずっと　つないでみたいなと　思ってました
 
手をつなぎたかったと言われて、ビックリする聡子。
でも、悪い気はしていないようだ。
さっきまで「お母さん」と思われていたら、どうしようと思っていたのに。
 
そして真修は続ける。
親子の愛を描く映画のチラシを見ながら、
もし聡子と親子だったらって、想像したことがあると。
 
それは楽しい想像。
でも勉強を見て貰うのも、車で何処かへ出掛けるのも、
今までと変わらないとも言える。
 
そして今度は聡子に想像して貰った。
会社を舞台にしたスパイ映画のチラシを見ながら、
もし真修と聡子が同じ会社で働いていたら・・・
 
酒を飲みながら、椎川の愚痴を真修に話している自分が浮かんだ。
 
次に高校生の甘酸っぱいストーリーの映画のチラシを見ながら、
それなら高校の同級生だったら・・・
 
やはり幸せだと思う。
どの映画でも俺（真修）と聡子さんの話なら・・・
 
サブタイトルのハッピーエンドはここに掛かってくるのでしょうね。
真修は聡子と一緒なら幸せだと言いたいのでしょう。
 
店を出た二人。
母親の手に似ていると言われて嬉しい　と言う聡子。
そんな聡子の手を掴み、
次は映画を観に行きましょうね　と真修は言う。
 
聡子は笑顔で「うん」と答えていますが、
それは映画の1シーンのような表現。
 
これって、現実は違ったというのでしょうか。
それとも普通に次の約束をしたのでしょうか。
 
聡子が決意した事は何だったのでしょうか。
 
 
次回は7月20日頃掲載予定！