漫画好きのひとり言

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私の少年 (高野ひと深) 42話

部屋の掃除をしていたら、
しなしなになっているサッカーボールのクッションを見つけた真修。
 
その時、真修は思い出した事があった。
サッカーボールと言えば・・・
 
ファミレスで聡子と会った真修。
サッカーボールを取り出し、「これ 覚えてますか?」
 
それは以前、聡子が真修に黙って仙台に行く時、
真修の家の玄関に置いていったサッカーボール。
 
聡子は懐かしさと共に、苦い思い出が蘇ったようで・・・
まあ、あまり良い思い出では無いでしょうね。
 
真修はあの時、「要らない」と言ったので、
聡子に返すと言うが、聡子も返して貰っても・・・
 
そんなわけで、サッカーで勝負して決めようという話に。
 
サッカーで勝負と言っても、
お互いにサッカーから離れてしまっているので、
そもそも勝負にならない気がする。
 
そう言えば昔、パスをしながら真修から質問を受けた事があった。
それなら、あの時の続きをしよう。
 
パスをしながら質問し合うのだ。
質問を思いつかなかったり、質問に答えられなかったりしたら負け。
その時にボールを持っていた方が、そのまま家に持って帰る。
 
好きな動物は?
好きな季節は?
好きな学校行事は?
 
質問に夢中になったのか、
ボールのコントロールにミスった真修。
 
泥だらけになったボール。
そして公園の掲示板の貼り紙に気付く。
「公園内でのボール遊びを禁止します」
 
色々と問題があったのでしょうね。
ボールを使ってのパスのやり取りが出来なくなってしまった。
 
そこで真修は思いついた。
LINEで続きをやれば良いのだ。
さあ質問を再開。
 
好きな匂い
好きな場所
好きな花
好きな色
 
真修の事がどんどん分かっていく。
聡子は嬉しいでしょうね。
そして好きな色はターコイズと言う。
 
もちろん聡子がキッカケだったが、
金賞を取った合唱コンクールの楽譜の表紙の色だったり、
合格祈願で配られた鉛筆の色だったりして、
すっかり好きな色になっているのだ。
 
真修にとってラッキーカラー的なモノになっていると知り、喜ぶ聡子。
空を見上げて、ふと思う。
 
絶対 絶対ないけど
たとえば次の質問が
 
好きな人は?とかだったらさ
 
真修だよって
そう言えばきっと喜ぶんだろうな

それとも
私の下手くそな笑顔に気付いて
変な空気になるのかな
 
言わないし言えないよ
こんなにしあわせだから言わない
 
思いを伝えて 周りの景色 あなた一色になって
あなたは「私のもの」だと 縋ったりなんて
私 絶対にいやだから
 
それは私達のかたちではないから
 
聡子は真修の生きる多様な世界に居られることや、
真修によって自分の世界が広がっていっていることが、
嬉しくて、有り難くて・・・
 
あいしている だいすきよ しあわせだよ
 
それを一つにして真修に伝える
 
わたし 真修の瞳に映る わたしが一番好き
 
これからも真修の瞳に映る色んな自分を見てみたい。
だから 私のこと 見てて
 
これからも一緒に居てという事。
殆ど愛の告白ですよね。
 
それが真修にも伝わり、嬉し泣きをする真修。
泣いたら聡子を見られない。
だから慌てて涙を拭く。
(真修の言動が面白いですよね)
 
大丈夫、私もすごい 真修 滲んでる
 
聡子ももらい泣きか。
 
突然の聡子の言葉に、次に何を質問するか忘れた真修。
真修の負けだ。
ボールは真修が引き取る事に。
 
勝負が付きましたね。
さ~ 次は何をしようね~
何しましょうか
 
「次」
この二人の関係はこれからもずっと・・・
 
次回、最終話
10月26日頃掲載予定です