漫画好きのひとり言

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私の少年 (高野ひと深) 40話

ここしばらく水曜日になっても菜緒を見かけない。
さすがに菜緒真修と会いづらいか。
 
そして帰りに買い物を頼まれた真修
荷物を持って歩いて帰る途中、
公園の遊具がなくなっている事に気付く。
 
この公園でサッカーの練習をしていた事を思い出す。
練習に夢中になり、門限を破ってしまった事もあった。
焦って帰ると鍵が掛かっていて家に入れない。
 
そういう時は玄関の横の茂みにいて、
父親が帰ってきたら気付いてくれるだろうと待っていたのだ。
 
家に到着し、入っていくと父親がいた。
夕食はピーマンの肉詰め。
真修が作るのだが、父親は気が気では無いようだ。
 
それは子供の頃にしでかした“サンドイッチ流血事件”
祖母が目を離した隙に忽然と消えた真修。
キッチンは辺り一面真っ赤。
そして床に転がる出刃包丁。
 
一人で母親のお見舞いに行こうと、サンドイッチを作ったのだが、
子供ですから、そんなに綺麗に作る事が出来ない。
ケチャップが血に見えて、大騒ぎになったみたいです。
 
結局、バスに乗れなくて家に戻ったらしいが、
消えた真修を捜して祖母や父親は大騒ぎだったのだ。
 
その時のことを謝る真修ですが、
父親は、今日は謝らなくて良いと言う。
この話をする度に母さんは、よく笑っていたと話してくれたのだ。
 
真修は、今日の父親なら、
色々と話が出来ると思ったのでしょうね。
 
実はあの時、結構すぐに家に戻ってきていたのだ。
父親の怒鳴り声が聞こえてきて、
家に入る勇気が無く、玄関の横の茂みに隠れていたと話す。
 
呆れる父親ですが、今日は怒らないと言ったので、
真修に全部話せと言う。
 
真修も最初は言いにくそうだったが、
その時以外でも玄関横の茂みによくいたと話し出す。
 
サッカーの練習に夢中になって
門限を破って締め出された時も・・・一晩中。
 
一晩中!?
父親は真修に気付かなかったと言うのか。
でも聡子と知り合ってからは、聡子が保護してくれたのだ。
 
これには父親も驚いたものの、ショックも大きかった。
自分は息子の存在に気付かずに通り過ぎたのに、
何故、聡子さんはすぐに気付けたのか?
 
女だから?
男には備わっていないのか?
父親だけじゃ不足なのか?
 
仕事を言い訳にしようとしたが、
別に真修に責められているわけじゃない。
 
急に存在感の薄さを感じた。
この家に自分の居場所は・・・
 
何をしたらいいのか もう わかんねぇよ
 
この言葉は真修に聞こえてしまいましたが、
真修は料理の事だと思ったみたいだ。
もう座っていて良いよと。
 
手を貸して欲しい時は
俺からちゃんと頼みに行くから
それ以外は座って待っていてよ
俺は大丈夫だから
 
子供の成長を感じた瞬間でしょうね。
複雑な気持ちだろうなぁ!
 
ちなみに、何故今日は怒らないのかというと、
(真修の)母さんの誕生日だから。
そんな日は笑顔でいたいのだ。
 
別の日、駅から出た真修に声を掛ける菜緒
いつもは何か話しをするのだが、黙ったまま歩く二人。
 
覚悟を決め、足を止めて何か話そうとした菜緒ですが、
それより先に真修が話し始める。
 
菜緒の自宅は、ここまで歩いて帰るより、
駅から出ているバスに乗った方が早い事に
この前、気付いたと。
 
それは菜緒真修と一緒にいたいからなのだが、
それを言わない所が真修の良い所ですよね。
 
だから ありがとう
俺と一緒に歩いてくれて
 
菜緒を気遣っての言葉ですが、
もう歩くことは出来ないとも取れますね。
 
ここからバスに乗ると告げる菜緒
そして「あの人が すきだったんだね」と。
 
真修は否定せずに「うん すきだよ」と答える。
 
でも 俺は全然隠したりできないから
恋とは違うかも
 
なるほど、恋をしているなら、その想いを隠してしまうものか。
 
菜緒意味分かんないと言いながらバスから外を眺める。
そこは真修と歩いた道。
小学生の頃、真修の後を追った道。
 
涙が溢れてきた
私も隠さなきゃ良かったのかなぁ
 
でももう遅い。
菜緒の恋は終わったのだ(ろうか?)
りおんに電話して、カラオケに行こうと誘う菜緒
 
そう、思い切り叫んで、沈んだ気持ちを上げていこう!
もう菜緒はふり向かないでしょう。
 
(まあ、真修は聡子に恋をしていないなら、
菜緒にもまだチャンスはあるんじゃないのかとも思えるのだけど・・・)

次回は8月24日頃掲載予定!