漫画好きのひとり言

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片喰と黄金 (北野詠一) 23話

先生(エリ)の身柄を賭けて勝負!
本人の意思を無視しているが、
妹のセルマは「兄は押しに弱い」から説得に自信ありげ。
 
ちなみにセルマは勝負に参加せず、
同行していたハイラムが勝負するようだ。
 
このハイラム、キャラ紹介でも“ちゃらんぽらん”と書かれていますが、
本人も「自他共に認めるちゃらんぽらん」と言っています。
でも、この勝負は真剣にやるらしい。
 
それはエリの妹・長女のシルビアの事があるから。
かねてから結婚を申し込みたいと思っているが、
決め手に欠けると言われているので、
セルマを味方に付けて口添えして貰おうとしているのだ。
 
エリにしてみたら、このちゃらんぽらんが義兄弟になるわけで、
アメリアには絶対勝って欲しいと思うところ。
 
こうして始まった「ブラグ」というカードゲーム。
(手札3枚で行なうポーカーみたいなもの)
 
アメリアは堅実な手で勝負していましたが、
ハイラムの方が一枚も二枚も上手で、
どんどん持っていたコインが減っていく。
 
ついにこれで負けたら
ゲーム終了(コインがゼロに)という所まで追い詰められたアメリア。
ハイラムが揺さぶりをかけてきましたが、
虚無の表情で思考を読めなくさせています。
 
面白がるハイラム。
エリに出会ったキッカケを訊いていました。
 
成り行きでしたが、昔からエリは子供がいれば気を掛けてしまうので、
ハイラムは勝手に納得していました。
 
本人は子供が好きなのに、堅物なので子供は敬遠するという・・・
それを指摘されると、エリも反撃。
「お前だって女性が好きなのに 女性に人気 特に無いだろう」
 
なんでそういうこと言うの!!
その話題はお前だって似たようなもんだろ
 
ちゃらんぽらんという理由で お前 縁談来なくなったろ
僕はそこまでじゃあない
 
何それ初耳
 
お前の縁談相手の父親が訪ねてきて・・・
「ハイラム君 ちゃらんぽらんに見えるけど・・・
友人の目から見てどう?」と訊かれ
ちゃらんぽらんですね
 
お前のせいじゃねえか
(これは笑った)
 
怒るハイラムに、嘘は良くないだろうと言い、
代わりに良い所も伝えたと言う。
 
「彼は破天荒で
こちらの想像を超えた行動をするので
楽しいですよ」
お前ー!!
 
これを聞いていたセルマも険しい顔になっていて笑った。
しかしハイラムも反撃。
 
お前はなんだ?
自棄になって「黄金を取りに行く」なんて?
お前がどれだけ熱意を持っていたか知ってる
 
現実は理想通りじゃあなかったってことも
でもだからって 自棄になって投げ出すなんて
らしくねぇよ
 
踏ん張れよ
理想通りじゃあなくても 程々に出来る事をしながら
この街で頑張っていけよ
 
エリは踏ん張ってきた
この国の教育の未来は明るいと希望を持ち教師になった。
しかし資金が集まらず新しい校舎は建たず、
現存している校舎も古くなって冬は寒くて使えない。
 
きっと出資してくれる人はいると踏ん張ったが、
皆、教育よりも生きていく事に必死で・・・
 
今、ここに大金があれば少しは・・・
だから黄金の話を知って 行かずにはいられなかった
 
でも失敗するかもしれない
それに未来の子供のためになっても
今の子供を投げ出す事には変わりない
自棄になったと思われていた方がいい
 
黙ってしまったエリに、
「何とか言えよ」とハイラムが問い詰めるが、
それをアメリアが制する。
 
集中しているので 黙っててくれますかぁ!!
 
そうだ、今は勝負中。
ハイラムの賭けにアメリアも乗る。
 
コインをどんどん積んでいくが、
そうなれば枚数が少ないアメリアが先に尽きる。
ハイラムの手札はAのペア。
これに勝つにはフラッシュ以上でなければならない。
 
ハイラムは勝利を確信していて、
この勝負を降りろアメリアに促す。
そしてエリの事も諦めろと言う。
 
それに対しアメリアは、そんな事はどうだって良いと言う。
ですが あなたたちが何も解っていないのは腹立たしい!
全部嫌になって投げ出す人は教科書を持ち歩いたりしないでしょう!?
先生はいまだって“先生”です!
 
そう言われたら、さすがにエリも自分の考えを言いたいもの。
黄金を手に入れたら・・・・
学校を作る
 
そうだ清潔で暖かい校舎
最新の教材 優秀な教員
しがらみのない理想だけの学校を作ってみたい!
 
アメリアの賭けにエリがコインを追加する。
これで勝負続行。
 
だがハイラムも容赦なくコインを追加。
博打は勝たなくてはいけない。
そして勝つ者は常識破り・型破りな者だ。
でもエリは違う。
常識そのものだから。
 
お前なんかじゃあ博打は勝てない
だから諦めて、この街に残れ。
ハイラムはそう言いたいのでしょう。
 
しかしエリは冷静に返す。
何をそんなに熱くなっている?
俺がこの街からいなくなって
見下せる人間がいなくなって困るのか?
 
ハイラムは違うと言いたかったが、違わなかった。
エリを物差しにして、比べて、自分を把握し安心していた。
でもエリが立派な野望を抱くような凄いヤツだったら、
自分は・・・
 
俺はどうすれば・・・
 
つい口に出てしまった。
それを聞いてアメリアは
「・・・? よくわかりませんが
先生が羨ましいってこと?
じゃあ あなたも一緒に来ます?」
 
そうきたかー!
 
ハイラムは目の前が明るくなった気がしたでしょう。
どうして思い付かなかったのだろう
不思議なくらい単純で魅力的なこと・・・
 
アメリアに俄然興味が出たハイラム。
彼女がどんな手札なのか知りたくなった。
「ハンドを見せろよ・・・」とコインを20枚出す。
 
アメリアの手札は3のペア。
ペアの中でも最弱!
 
アメリアはハイラムの手札はペアも出来ていないと思っていたようだ。
こんな弱いハンドで、よく堂々と賭けに出たものだ。
これが黄金を求めに冒険に出る博打打ち。
 
俺も行く
 
ハイラムも一緒に黄金を探しに行くというのだ。
これで丸く収まった。
 
もちろん、エリの中にはわだかまりは残っている。
成功すれば未来の子供達には貢献出来るはず
しかし、今の子供達には何も出来ない。
 
そんなエリに、
アメリアは旅の間に勉強を教えて下さいと言う。
 
今の子供にも勉強を教える事が出来る!
こんなに嬉しい提案はないでしょう。
 
もちろんエリは快諾する。
教えさせてください・・・
百人分教える・・・
 
いや、アメリアとコナーだけだけど・・・
まあでも、エリの心を救ったのはナイスだ。
 
こうしてエリとハイラムが仲間入り。
シルビアとの結婚は・・・ ハイラム、諦めろ!!

相変わらず、やり取りが面白い!
シリアスな部分とコメディタッチな所のバランスがとても良いです。