漫画好きのひとり言

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時給三百円の死神 (作画/桐原いづみ 原作/藤まる) 8話

母親に落とされた夕。
遠ざかる意識の中で・・・
明日・・・ 約束・・・ お兄ちゃんたち・・・
私が行かなくても ちゃんとプレゼント見つけてくれるかなぁ・・・
 
ベランダから見下ろしている母の顔を認めながら
開けた時の顔・・・ 見たかったなぁ・・・
 
そこまでプレゼントにこだわるとは。
一体、どんなプレゼントだったのだろうか。
 
植木がクッションになったことで一命は取り止めた夕。
その事を真司が雪希に話していた。
そして雪希にはそれ以上話さなかったが・・・
 
あの状態では たとえ助かったとしても・・・
 
真司は近所の人から絶望的な状態だと聞いていたのだ。
そんな真司が、今できることと言えば、
夕から雪希への誕生日プレゼントを渡すこと。
 
せめてこれだけでも願いを叶えたい
そう思って掘り起こすと、箱の中にはノートが入っていた。
雪希がノートを開くと、そこには・・・
 
くたばれ 死ね! きえうせろ
 
そんな文字が書き殴られていた。
真司は忘れていたのだ。
「死者は嘘を吐く」
 
これが夕の本音。
 
あたしとお母さんの仲を引き裂く人達が
少しでも苦しめばいい

あたしのロスタイムが終われば
お母さんは殺人罪で警察に捕まちゃうんでしょう?
絶対そうはさせない それを邪魔する死神は
全員 敵
 
被虐待児は どれだけ酷い目に遭っても
親の愛情を求めてやまないという
夕も同じだった 母親からの愛情が欲しかっただけなんだ
そんな彼女にとって死神は邪魔者でしかない
 
夕の願いは少しでも長く母親といたかったのだ。
だからロスタイムを終わらせようとしている死神は敵でしかない。
 
夕がロスタイムを生きる理由は母親を逮捕させないためだった
 
しかし母親を守りたかったというなら、彼女の能力は一体・・・・
ここで真司は思い出した。
心室細動で亡くなった子供の話。
 
自分もそうやって死ねば母親は逮捕されないし、
母親は自分の死を悲しんでくれるのではないか。
 
夕が止めたかったのは自分の心臓。
ロスタイムでも母親の愛情が手に入らなかったと知ったら、
間違いなく死者の力を使って自分の心臓を止める。
 
最悪のシナリオは他人の心臓を止めることなので、
それを阻止するためには、夕を死なせてあげる事しかない。
 
しかし雪希は泣きじゃくって真司の言葉を受け入れようとしなかった。
でも夕のノートが消えていく。
それはロスタイムの終了を告げるものだ。
 
夕は成仏した。
来世というものがあるなら、
今度こそ母親に愛されるものでありますように。
そう祈るしか無かった。
 
失意の真司の元に雨野という男が現れる。
宝探しの事を訊かれ、何故知っているのか不思議に思うと、
あれは雨野が授けたアイデアだったと言う。
 
雨野が本性を現わしたのだ。
 
俺はなぁ 不幸な俺を差し置いて
楽しそうにしている人間共が嫌いなんだよ
嬢ちゃんと俺は利害が一致してるって言ったろ
 
嬢ちゃんは鬱陶しい死神を追い払いたい
ならば俺が効果的な方法を教えてやるって感じでな
いやー まさかここで嬢ちゃんが成仏するとは思わなかったけどよ
 
その言葉に怒る真司
 
俺はなぁ
お前らみたいなのが苦しむ顔を見るのが
たまらなく好きなんだよ
 
俺があんな不幸な死に方したってのに
それを知らずに へらへら笑いながら生きやがって
だからそいつらを軒並み不幸に叩き落とすと決めてる
 
雨野は実に酷い男だった。
どれだけ不幸な人生だったか知らないが、
こんな性格では自業自得だったのではないのかとさえ思える。
こんな奴にロスタイムが与えられるのが謎すぎる。
 
そして雨野は続ける。
それはそうと そこの女子高生
実は嬢ちゃんからとっておきの情報を授かっててなぁ・・・
 
それを聞いて、雪希は「やめて お願い」と言う。
よほど真司に聞かれたくない情報なのでしょう。
 
しかし、そういう顔こそ雨野が見たかった顔なのだ。
だからこそ言いたくなる。
 
そこの女子高生
死者だぜ
死者でありながら 死神をやってる女なんだよ
 
ああ、そんな気がしていたが・・・
雪希もロスタイム中という事ですよね。
彼女が成仏する条件とは一体、何なのでしょう。
 
そして、これを聞いた真司は・・・
続きが凄く気になるぞ。